座布団の現状

とある座布団

お世話になっている「ふとんのつたや」さんにて、座布団の会話になりました。そのときに、とある法要座布団を見せて頂きました。その座布団は、端が少し切り裂いてあり、中綿が見える状態になっておりました。

店長自ら切り裂いた、その裂け目から出てきたのは、青黒いもしゃもしゃした綿でした。聞くところによると、紡績工場にて排出される綿屑が、無造作に詰め込まれているらしいです。

その座布団は、大手仏壇仏具屋さんで購入したもので、高級座布団と書いてあったものらしい、とのことでした。あまりにも座り心地が悪いため、店長に相談しに来て、お客様の了解を得て、その場で店長が切り裂いたそうです。

つまり、世の中で市販されている座布団は、まがい物が多いということです。

写真の座布団は、通販で1,700円程度で購入した八端判だそうです。生地を裂いてびっくり、中綿は化繊の屑綿を無造作に詰め込んだものでした。

中綿が屑綿の八端判



本物の座布団とは

本物の座布団とは、どういった座布団なのかを、聞きました。それは、次の条件を満たす物っぽいです。

  1. 側地は、1枚の生地を折りたたんで、縫ってある。
  2. 中綿が木綿わた100%である。
  3. 中綿が均一に入っており、凹凸やシワが少ない。
  4. 中綿が寄れない。
  5. 中央のは、両面で結んである。

などです。


座りよい座布団の厚さ

座布団の厚さが、「分厚い座布団は、座りにくい座布団」ということを、ご存じでしょうか?。

腕の良い職人は堅めに作る

かさ高い座布団は、座るとお尻が沈んでフワフワするので、バランスを保つのに疲れます。前のめりになってきて、猫背になってしまいます。布団職人は、そのことを知っていて、あえて、ふんわり感の少ない、堅めの座布団を作っているのです。

綿100%の座布団は時間とともに

綿100%は、化繊と比べると、時間とともに弾力性が劣ってきます。実は、そういった座布団の方が、座り心地がよいのです。そういったことから、座布団は綿100%がよいと思います。


座布団の作り方

座布団を作っている所を見せて頂きましたが、本当に手作りです。見た感じでも、かなり難しそうです。

  1. 生地は、1枚の生地を折りたたんで縫う。ただし、全周を縫わずに、綿の入れ口を作っておく。
  2. 縫い合わせた生地の上で、綿を交互に重ねていく。重ね方には、いろいろな方法がある。
  3. その綿を、生地の中へ、うまく入れる。これも、職人技です。
  4. 綿の入れ口を、絎ける。
  5. 房を付ける。

少なくとも、中綿は、クッションのように、綿をぐいぐい詰め込んだだけでは、ありません。房の結びも、美しさがあり、房の立っているものが良いとされます。

時間があれば、写真も入れたいと思います。